今回の転職相談内容です。
- 42歳男性
- 国立大学大学院卒
- 大手上場企業の課長&現年収800万円
- 転職3回&有力な資格多数
- 部長からパワハラ&飼い殺し状態
非常に高いスペックのエリートですね。
今回は意外と多い事例で、優秀がゆえに飼い殺しにされている中間管理職の方からの転職相談です。それではどうぞ!
転職相談
ユウ様
初めまして。私は上場企業で課長をしている42歳です。国立大学の大学院を卒業して20年の間に3回転職。今の会社は10年勤務しています。
入社したころはメイン業務の経理・会計の仕事を色々と裁量をもって任されて、ひとつ前の会社よりやりがいがあり転職して良かったと思っていました。
海外出張も多く、英語もスキルアップできたのも良かったです。
資格は行政書士、簿記1級、TOEIC850などを持っています。勉強は好きな方で社会人になってからも継続しています。
ただ数年前に転勤してきた部長と馬が合わないのです。
その前の部長は尊敬できる所も多く、一緒に仕事をやっていても楽しかったのですが、今の部長は違います。
仕事が出来ないし、責任転嫁して部下の面倒をすべて丸投げしつつ、評価はとても厳しいのです。
私の会社では部長に昇進する場合、一定の評価を3期連続で取る必要があるのですが、この部長になってからは私が昇進しないように評価をおさえている感じが・・
働き方・業務内容は変わってないのに以前の部長との評価の差が大きすぎます。
また本来うちの会社は数年に一度定期的な異動があるのですが、この部長になってからはまったく異動もできず評価も低いまま同じポジションで飼い殺し。
定期的にパワハラのような言動もあり、部長に昇進できる道も閉ざされているので毎日悩んでいます。
現在の部長はあと5年も経てば定年です。
今の部長が定年になって、自分が部長になるのを待つか、転職をするか悩んでいます。
800万円の年収維持しつつ、持ち家なので転勤の無い企業となると厳しいでしょうか。
アドバイスなどあればお願いします。
転職相談の回答
今回の相談者様の悩みは中間管理職の方に多い悩みです。典型的な日本企業で優秀な課長が、部長に飼い殺しされることは多々あります。
とくに年功序列の会社で無能だけど年齢で管理職になった場合は、部下によい評価をあたえると昇進して自分のライバル部長になってしまうのを避けるために低い評価で使い続ける「飼い殺し」が横行しています。
とにかくダメ部長で困りましたね。
おそらく相談者様も前任の部長のもとであれば、部長になっていた頃だと思うので余計に今の処遇が理不尽に感じていらっしゃるのだと思います。
まずは相談者の強み・興味の棚卸しをしましょう。
相談者の強み・興味の棚卸し
まずは強み・興味の棚卸しです。
- 上場企業で課長
- 行政書士、簿記、TOEIC850
- メイン業務の経理・会計経験
- 海外出張経験あり
大手上場企業の課長は、ベンチャー、中小企業では部長以上に転職可能です。15人以上の部下がいれば更に評価されます。
簿記・会計系も強いのに英語も出来るのもよいですね。外資系を狙うことも可能。
ここらへんを棚卸して面接、書類選考の強みにできます。
質問の整理
- 定期的にパワハラのような言動
- 働き方・業務内容は変わってないのに以前の部長との評価の差
- 今の部長が定年になって、自分が部長になるのを待つか、転職をするか
定期的にパワハラのような言動
これは逆にチャンスです。
酷いパワハラ、モラハラなどであれば、ボイスレコーダーにとっておきましょう。
そして本部長などの部長よりも上位職と仲が良ければ、証拠片手に相談ベースで現部長の言動を伝えるのも1つのやり方。
ボイスレコーダーを証拠に失脚してくれたらこっちのものです。部長のポストが空くのでそのまま昇進も可能に。
その際は本部長が実権を握るようになるので、最初の相談時に丁寧な相談・根回しをしておくのが大事。
もし本部長が現部長と仲がよい、もしくは隠そうとする体質であれば(部長のパワハラは本部長の責任にもなるので)、最初に人事に相談するのがオススメ。
働き方・業務内容は変わってないのに以前の部長との評価の差
飼い殺しのためにわざとやっている可能性は高いです。
しかし、本部長・人事部に伝える時は「評価の差」は伝えないほうがよいです。
「上司によって評価箇所が違うのは当然」「評価されないと上長・人事にタレこむ」と曲がった考えをもたれる可能性があります。
せっかくパワハラで失脚させることができるかもなので、評価云々に関してはあえて触れないのがベター。
今の部長が定年になって、自分が部長になるのを待つか、転職をするか
基本的には転職か独立を勧めます。(詳細は次章で)
ただ今の会社が好きであれば、まずは上述の人事などへの訴えをして、環境改善をはかるのがよいと思います。
本部長・人事などからの厳重注意だけで終わり、降格などなかった場合は悪い空気のまま5年待つか、次回の異動で部長か相談者どちらかが異動に。
改善したふりをした上司のもとで5年働いた場合は、やはり評価は普通のまま5年後に部長への推薦をもらえるかは疑問。
もし部長が異動してくれた場合は、相談者様の部長昇進は濃厚に。
もし自身が異動になった場合は、また違う部署の部長の下で信頼を勝ち取っていく必要があり、会社的に同じような部長の下につく可能性もあるので、むしろ転職の方がメリットが高いです。
転職であれば最初から部長、本部長、CFOで就任と職務が決まった状態でのスタートになるので、しがらみもなくなり仕事としてはやり易くなります。
私が相談者の立場なら
- 外資、ベンチャーのCFO、本部長、部長職を狙う
- 独立をする
人事などへの相談もするとは思いますが、そのタイプの部長がいる会社は企業体質に問題ありなので見切りをつけます。
私が相談者の立場だったら「外資、ベンチャーのCFO、本部長職を狙う」か「独立」。
もしくは両方を並行で動きます。
外資、ベンチャーのCFO、本部長職を狙う
こちらは相談者様のスペックであれば簡単です。800万円の現状維持以上の希望は叶います。
歴史ある上場企業に長く勤めている方は、出来るライバルを多く見るので自己評価が低くなりがちですが、相談者様がベンチャー、外資の転職を希望すると引く手あまたに。
理由は以下の2つ。
- 上場企業での長年の管理職経験・実務経験
- 42歳で年齢がちょうどよい
上場企業での長年の管理職経験・実務経験
「上場企業での長年の管理職経験・実務経験」は、ベンチャー企業は喉から手が出るほど欲しいです。
ベンチャーは社長ですら数年の正社員経験で独立した方が多いので、大企業の管理職・実務のノウハウにとても乏しいです。
ベンチャーでも上場を狙っている会社は、大企業での経験を積んだ方の採用を積極的に行っています。(上場を狙っているベンチャーは給与・福利厚生も優れています)
相談者様のスペックであれば、将来的な上場で数千万円になるストックオプションをもらえたり、上場企業役員になれるチャンスも非常にあります。
また経理系の知識もあって英語も話せるのであれば、外資への転職も成功率は高いです。
42歳で年齢がちょうどよい
大企業にいる相談者様には信じられないかもしれませんが、ベンチャー企業では社長が30代後半などはざらにあります。
現在42歳で60歳前後の部長の下で苦しんでおられるようですが、ベンチャーであれば20~40代の方がほとんどです。
42歳はベンチャー社長が欲しがる、足りていない年齢層の人材です。
大企業では中堅でも、ベンチャーでは大企業から来たベテラン扱いになるので皆尊敬の念をもって接してくれます。
ベンチャー・外資への転職はスカウト
相談者様のスペックであればスカウトでの転職がオススメ。
ハイクラス求職者はスカウトでしか採用しない企業も多いです。
社長・役員と一緒にご飯を食べて人柄を知ったり、オフィスに遊びに行って雰囲気を確かめることもできます。
雰囲気が良ければ面接を受けて、合わなければ面接も受けずにお断り出来ます。
転職前に会社の雰囲気を知ることが出来るので、転職後に「こんなはずじゃなかった・・・」と失敗することがありません。
以下が優良企業が使っている「一括送信ではない」スカウトサービスです。
サービス名 | 条件 |
---|---|
リクルートダイレクトスカウト | 年収600万円以上のみ |
ビズリーチ | 年収750万円以上のみ |
forkwell scout | エンジニアのみ |
相談者様であれば、リクルートダイレクトスカウト、ビズリーチでスカウトを待ちつつ、日本最大求人数の転職サイトリクナビNEXTで求人探し・スカウト待ちをするのが良いです。
相談者のスペックだと一番スカウトが多いのはビズリーチだとは思います。企業ごとに独占スカウトもあるのでリクルートダイレクトスカウト、リクナビNEXTもサブ的に使うのがオススメ。
独立をする
私が相談者の立場なら、スカウトを待っている間に副業などをしつつ、独立準備も実施。
相談者のスペックであれば、税理士、コンサルなども可能だと思うので、興味がある副業をしてみます。
クラウドワークスなどを利用して、自分と同じスキルをもっている方がどのような仕事をしているかを探してみるのもよいと思います。
副業禁止の会社でも匿名でも使えますし、嫁名義で登録すれば絶対にバレないので安心を。
その中で新たな転職先のイメージが見つかるかもしれないですし、副業でそれなりに稼ぐことができれば家族の同意などももらいやすくなり将来的に独立するのもスムーズに。
転職活動と副業(独立準備)のどちらも並行ですすめることをオススメします。
転職相談の回答まとめ
こちらが今回の転職相談の回答まとめです。
- パワハラはチャンス!ボイスレコーダーを使い証拠を持って人事へ
- 人事相談時には前任部長との評価の差はあえて言わない
- 現部長の定年まで待つのは厳しい。異動しても同じタイプの部長が多い企業体質
- 外資、ベンチャーのCFO、本部長職を狙う
- 副業しつつ独立を目指すのもよい
お役に立てていると幸いです。
相談者様の転職成功・独立成功を祈っています!
また質問があれば送ってきてください。
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